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伝統手芸オヤ編み

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オヤとはスカーフの縁飾りのことです。

都会では、モダンな格好で髪をなびかせて歩いている女性もいますが、
昔はしっかりとスカーフをかぶり、外に自由に出て行くこともままならなかった昔のトルコ。
そんな女性の楽しみの一つがスカーフの縁飾り編みでした。
モチーフやデザイン、色合いで自分の気持ちを表していたそうです。
土地の伝統技法や、デザインなど地方によって特徴があり、様々なオヤスカーフがあります。

オヤスカーフは花嫁道具でももっとも大事なものの一つです。
母親がいずれは嫁いでいく娘のために、まだ幼いころから編みためておいて用意しておきます。
私の義母は嫁である私のためにもたくさん編んでくれていました。
モチーフやヤズマ(スカーフ)など、デザインの違いから年代を感じさせるものもたくさんあります。

オヤ編みにはいろいろな種類がありますが、
今回はこちらで取り扱っているオヤの説明を簡単にいたします。

　＊イーネオヤ。
一本の針を使い、立体のお花、繊細な線模様、植物などを編み上げていきます。
平編みのイーネオヤを編む女性はここら辺でも見かけるのですが、
立体のモチーフとなると、なかなか見かけることがありません。
今は編める人が少なくなった伝統のレース編みです。

　＊トゥーオヤ。
細いかぎ針を使って編み上げます。
イーネオヤの平編みに負けず劣らず、とても繊細です。
どのオヤにもデザインにもそれぞれ名前があって、名前だけで編み方がわかります。

　＊ボンジュックオヤ。
かぎ針や針を使ってビーズを編みこんでいくレース編みです。
ボンジュック＝ビーズを編みこんでいくのが、ボンジュックオヤ。
スカーフの色合いとオヤ糸とビーズ、見事な色あわせで編み上げられていきます。

　＊メキッキオヤ
日本ではタティングレースと呼ばれています。
シャトルという道具を使って編む繊細なオヤです。
きっちりとシャトルにかたく編むのがこつです。

　＊プルオヤ
スパンコール＝プルを使って編んでいくレース編みです。
ナマズ（お祈り）用のスカーフにあまれることが多いです。

オヤを編んだ後にスカーフに縫い付けるオヤスカーフが多いのですが、
このオヤの長さとスカーフの周囲がピッタリそろうことは、まずめったにありません。
長くて二重になったり、短くて足りなかったり・・・。

３０〜５０年ほど前のアンティークスカーフは、現在のプリントと違って、手作業で色付けしていました。
そのための色のにじみやずれ、大変味のあるスカーフです。

どのオヤもやわらかいコットンなどの薄手のスカーフに編まれています。
頭にかぶるスカーフの他に、ショールやマフラー、テーブルクロスなど、
アイデア次第でいろいろな用途があります。

先にオヤを編んで、スカーフを探すことが多いのですが、この色合わせも大変です。　
私が見ていると、色合ってるんじゃぁ？・・と思うこともあるのですが、
トルコのアンネ（お母さん）達はとても厳しいのです。
いや違う！と希望の色のスカーフが見つかるまで妥協しません。
・・生活の色々な事では妥協だらけなのに。。。

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